今日の茨城

 県は来春から指定管理者制度に移行する公共施設五十施設の各指定管理者を選定し、二十八日発表した。五十施設のうち三十二施設の指定管理者については一般からの公募で選考されたが、民間団体が県の外郭団体に代わって指定管理者になるケースは五施設にとどまった。残る二十七施設(新設含む)は、現在の管理委託先(外郭団体)がそのまま指定管理者に名前を変えて横滑りした。ただ、県の委託費は制度導入によって本年度に比べ約5%(約七億二千四百万円)の節減になる見通し。
県は各施設の指定管理者選定議案を十二月二日開会の定例県議会に提案する。議会の可決を経て、各施設の運営は来年四月から指定管理者に委ねられる。指定期間は三年−五年間。
指定管理者制度は、公共施設の管理運営を民間企業やNPO(民間非営利団体)などにも広げる制度。公共施設の管理運営を受託できるのは、これまでは自治体出資の財団法人や第三セクターなどに限られていた。民間ノウハウや競争原理の導入による施設運営の効率化、利用者サービスの向上などが期待されている。
指定管理者制度に移行する五十施設のうち十八施設については、施設の性格から管理運営を他の団体に肩代わりできない、と判断。公募を見送り現在の委託先をそのまま指定管理者に選定した。
指定管理者を公募したのは三十二施設だったが、このうち十一施設に応募(管理運営の計画提案)したのは現在の委託先一団体だけで、民間からの参入希望はなかった。残る二十一施設については民間からも応募があったが、結果的に民間団体が選定されたのはサッカーJリーグのアントラーズFC(牛島洋社長)に決まったカシマサッカースタジアムなど五施設だけ。
こうした結果について、県は「いずれの施設も外部有識者らによる委員会を設置し選考には公平を期した。施設の中には運営の特殊性などから民間にはやや参入しにくいケースもあった」(人事課)としている。

つくばでも課題となっている指定管理者ですが県関連施設では、きまったようですね。それにしても、32施設中27施設が現在の管理委託先(外郭団体)がそのままなったということで、何のための公募だったかわかりませんね。もっとも生涯学習センターなどは、施設管理はできても運営となると実際に実現できるかどうかがあります。制度導入によって多少は節税になることで効果はあるのかもしれません。しかし、県の予算自体が縮小していますから、もっと節税効果があってもよい気はします。
利用する側から見れば、どこが管理していようが、利用しやすく(価格、サービス、情報提供など)、ソフト事業などが充実していることが一番です。つくば市にある国際会議場は、いくつかの団体で構成されたところに決まったようですが、現段階では価格など高すぎて少なくとも市民ベースにとっては使いがってがわるく、敷居が高いです。これを機会に、利用者の立場に立った運営をお願いしたいですね。